【本の要点】
- あなたは「もやだるさん」でしょうか?
本書の序盤に、自分が「もやだるさん」かどうかを見分けるチェックリストがありますのでまずはそれをやってみてください。
日常生活でなにかと「もやもや」な気分になる、なんだか体がだるい…そんな方はもやだるさんと思っていいでしょう。
逆に「ごきげんさん」な人もいます。その違いはなんでしょうか?
それは『ネガティブな感情の取り扱い』です。ごきげんさんもネガティブな感情に陥ることがあります。しかし彼らはそれを引きずることなくスパッと切り替えられるのです。
ネガティブな感情を遮断することは非常に困難。なので切り替えられるようにしようというのが本書のコンセプト。
切り替える習慣(リセットスイッチ)を身につけましょう。 - 本書の筆者は禅僧であり、アメリカfacebook本社で禅セミナーを行ったりと、国を超えて活躍されています。
第1章では「もやだるさん」の特徴であるリセットが苦手なことについて深堀りしていきます。私も当てはまることが多々あり、自分がもやだるさんだと認識できました。
第2章では3秒でできる「リセットスイッチ」が9個紹介されています。
そのあとは自分だけのオリジナルリセットスイッチの見つけ方、「もやだるさん」が「ごきげんさん」になるためのヒント、プチ瞑想についてなどが書かれています。
著者について
刺さった箇所7選
「もやだる」はネガティブ志向の脳が勝手につくる自作の物語
人間は、厳しい環境を生き抜くために、生存本能から、もともとポジティブな情報よりもネガティブな情報に注意を向けやすい認知システムを備えているようです。そのため、特に何も意識していないと、イヤなことや不安なことが目についてしまったり、記憶に残ってしまったりするのだそうです。
いやーめっちゃわかる!私まさにこれ!生存本能が優れているってこと!?w
今ほど生活環境が整っていなかった時代なら良かったのでしょうが、今は、特に日本では暮らしていて生存に脅かされるなんてほとんどないですよね。

現代の「もやだるさん」にはあまりメリットがないわけです。
あとで書かれていますが、「もやだるさん」は、あるもやだるが解消されたとしても、また次のもやだるを見つけに行ってしまうんです。これもわかる!
「もやだるさん」の悩みは、庭を眺めて、お茶を飲めば消える?
もやだる状態が続いている人は、多くの場合、「今」がとても長くなっています。もやだるのきっかけとなった出来事が起きた時点から、ずっと「今」が続き、1ヶ月後も、1年後も、悩みが深い人は数年後も「今」が続きます。
どんなに怒っていても、どんなに落ち込んでいても、「今」を感じ取れれば、悩みは一瞬にして消えます。
もやだるさんが悩みを抱えている時って、その状態がずっと続くもんだと錯覚するんです。私もそう。
もし悩みを抱えていたら、ひとつの所作に集中すること。お茶を沸かして飲む、外で景色を楽しむなど。
すると悩んでいたのが和らいできたり、忘れたりできます。「あ、こんなくだらないことで悩んでたんだ」と思えるかもしれません。

一旦冷静になる意味でも、この方法を取り入れてみましょう。
幸せを見つけるのが上手な人は、「もやだる」が遠ざかる
幸せを見つけるポイントは、幸せを感じ取ろうと意識するかどうか。脳に任せているとネガティブなものばかりに目を奪われてしまい、幸せなものがどんなに身近にあっても気づけません。幸せは待っていてもやって来ないといわれますが、まさにその通りなのです。
幸せに対して受け身になるとなかなか幸せは得られないもの。能動的に幸せを見つけにいきましょう。小さなことでも構いません。
小さな幸せを見つけていくうちに「ごきげんさん」に近づけるのです。

散歩でもして自然に触れてみましょう。小さな花、ふと出会った野良猫などから小さな幸せを感じ取りましょう。
1日6回ごきげんになる「いただきます」と「ごちそうさま」
「いただきます」は、目の前にある食べものそのものだけでなく、その食べ物に関わった自然や人に対して感謝するとともに、その自分を支えてくれている大きなネットワークのなかにいる自分を感じる言葉です。
「いただきます」「ごちそうさま」はとても身近に感謝できる行動。学生だった頃はみんなで手を合わせていただきますってしていましたよね。
大人で「いただきます」する人ほとんどいないのではないでしょうか?私もやりません。
私は食事に関しては、好きなものを食べるときに感謝します。「美味しいご飯を食べられること」に感謝するんです。言葉にはしませんけどね。頭で思いながら食べます。

感謝する機会があればその度に感謝!
良いことも悪いことも、学びがあればすべてよし
あらゆるものごとから何かを学ぼうとするのか、しないのか。それが、ポジティブとネガティブの違いだと考えています。良いことが起きても、悪いことが起きても、そこで何かを学ぼうとする人は、ポジティブな人。
これすごくいい考え方だと思います。私も最近取り入れています。「これも学びだ」と開き直るのです。
そういう考え方ができればネガティブだと思っていたことが、次のポジティブに繋がる、自分にとってプラスになることだと思えるのです。

成功者ってそこに至るまでにたくさんの失敗をしているのですが、その失敗から学んで今があるんです。それに似ている気がします。
孤独と似た言葉で「孤立」がありますが、意味は全然違います。孤独はいいですが孤立はしないようにしましょう。
「自分らしさ」をほかの人と比べない。比べたところで、その差はわずか
「ポジティブになりたい」と同じくらい多い、もやだるさんからの相談です。こうした悩みは、幸せを見つけるのが上手になると、いつの間にか解決してしまいます。なぜなら、幸せを見つけられるようになると、自分らしさにも気づけますし、自分のことを認められるようにもなるからです。
常に不安や悩みを抱えている自分は、周りのポジティブ人間を羨ましく思います。あと私は内向型で、外向型人間も羨ましく思ってしまいます。
でも実は思ったほど大きな違いはないのです。それに、自分が羨ましく思っている人もまた別の不安悩みを抱えているもの。

「自分らしさ」を他人でぶれさせないように!
瞑想は頭を空っぽにすることではなく、今を感じること
みなさんは、「瞑想」というと何をイメージしますか?
私が伝えていることは、「今、私は呼吸をしている」「手が暖かい」「鳥の鳴き声が聞こえる」「誰かの足音が聞こえる」「お線香の香りがする」「花の香りもする」…など、いろいろなものを感じることです。
五感に集中するんですね。自分の感覚を研ぎ澄まして幸せを感じ取れやすくするんです。

ネガティブに振り回されていると、つい五感が鈍くなり、幸せが近くにあっても気づきにくくなります。
3行ノート
この本を読んだ方に併せてオススメしたい本
◎「いい人をやめればうまくいく」心屋仁之助

人目こそが、わたしたちが人間関係に深く悩み、苦しみながら生きる原因でもあります。なぜなら、こんな厳然たる事実があるからです。
どんな人も、ひとりで生きることはできない。そして、あなたは他者を変えることはできない。
あなたの悩み事や心配事のほとんどは人間関係から生じているとのこと。悩みで苦しんでいる人は一度読んでみてほしい!きっと心が落ち着けるでしょう。
◎「仕事も人間関係もうまくいく 放っておく力」枡野俊明

何が起きるかわからないのなら、いたずらに未来のことを心配しても意味はありません。そんなヒマがあったら、いま目の前にあることに持てるエネルギーのすべてを注いだほうがいい。いまできることに集中して取り組めば、心配していたその未来が変わる可能性だってあるのです。


