【本の要点】
- 「努力は必ず報われる」と信じている人いますよね。しかし逆に「努力は必ず報われるとは限らない」と考える人もいます。
これって真実はどちらなんでしょうか?
本記事をご覧になるのは恐らくですけど、これまで努力を積んでこられた方かと思います。
ただ報われたかどうかは人それぞれ。報われない方だって当然います。
どうすれば報われるのか?答えは『”良い努力”をすること』です。
乱雑に努力しても大変です。取捨選択をしましょう。 - 本書構成は、各章の中に「努力が報われる人は〇〇、報われない人は△△」という項目が計50個並んでおります。
第1章は努力が報われない人の特徴について。第2章は努力を成果に繋げるため知っておきたいこと。第3章は仕事が実るためのこと。第4章は勉学に関すること。第5章は人間関係と努力の関係。最後第6章は生活習慣の話。
各項目はきっかり4P。たくさん項目がありますので「あ、これ報われない方に当てはまっている…直さないと」「報われる方に当てはまっている!これからも継続しよう」両方感じるでしょう。
全部読まなくても、目次で興味ある項目だけ読んでもいいと思います。
著者について
刺さった箇所7選
努力が報われる人は努力を手段に過ぎないと考え、報われない人は努力を正義だと考える。
がんばる姿は美しい。これにはなんの異論もありません。ただ、今あなたがしている努力が正しいかどうかは、別途、検討の余地がありそうです。正しいか正しくないかの定義は何でしょうか。
努力することが目的になってしまっている人いませんか?これって自分じゃ気づきにくいと思います。
日本だと「コツコツ教」が流行っています。学校でも努力が大事だと教えられますよね。でも本当に大事なのは、努力の向こうにあるものなんです。

努力しなくても目標を達成できるなら努力する必要はないのです。
努力が報われる人は失敗も栄養にし、報われない人は起こってもない失敗を恐れる。
目の前ばかりを見ていれば、その失敗の持つ意味はとても大きく感じてしまうけれど、自分の人生を俯瞰してみるとそこまで大したことではない。そして真剣な失敗が増えれば増えるほど、誰かの役に立てるようになる。
私は失敗を恐れるタイプ。でも最近少しずつ変わってきた気がします。「何とかなる」「失敗もまた経験になる」と自分に言い聞かせています。
「ああ、やっちゃったなあ」って思うこともたくさんあります。そんな時私は散歩するようにしています。自然に触れると、いかにちっぽけなことで悩んでいたんだろうと気づくことができます。

失敗もポジティブに捉えてしまえばいい!
努力が報われる人はあるべき自分を軸にし、報われない人は誰かの評価を軸にする。
がんばることに疲れてきたのであれば、もしかしたら「評価されよう」という気持ちが強くなり過ぎて、誰かの目が気になっているのかもしれません。それによって本来の自分がわからなくなっているのかもしれません。そのときは、一度立ち止まって、本来、自分はどうありたいのかを考えてみるといいでしょう。
人は多少なりとも「承認欲求」を持っているでしょう。他人に褒められると気持ちがいいですよね。
でも他人に評価されるために努力していると、報われるかどうかは他人次第になりますよね。

あくまで自分を軸にしましょう。他人に評価を委ねていると気づくことができたなら、一度立ち止まって、自分が何をしたいのかを改めて考えてみましょう。
努力が報われる人は努力しない努力をし、報われない人はいかに努力するかを考える。
「努力は報われる」という言葉は確かに美しいですが、「努力しなくても成果を上げられないか」と考えるところから、生産性の底上げは始まります。
努力することに重きを置いてしまうとこの罠にハマります。努力が目的となってしまうのです。
もちろん努力しなくてはいけないこともあります。しかし、本来努力しなくてもいいところにも時間を割いていてはキリがないです。
努力が報われる人は1か所のために本を読み、報われない人は読み切ることに満足する。
読み切る努力よりも、本から得たヒントを試して課題を解決する努力をする方が、実りがあるのではないでしょうか。現状を打破する、課題を解決することを目的とするならば、一冊を読み切ることは頭から捨てましょう。
これ私も同感です。私が普段読むのは自己啓発本やビジネス本ですが、1冊から10%吸収できれば十分だと思っています。
私が毎回書評記事の最後に書いている「3行ノート」なんかもその一例。3つだけでも教訓を得ようというのが目的です。

もちろん小説などは最初から読み進めなくては内容がわからなくなります。でも例えば、本書なんかは目次を見て、自分に必要だと思った箇所だけ読んでも十分だと思います。
努力が報われる人は他人に期待せず、報われない人は怒りに支配される。
怒らない人は、優しい人ではなく、他人に期待していない人。失望の源泉は望みです。望みを持つから失望するのです。その怒りや失望はどこからやってくるのでしょうか。客観的に捉えてみようと思うだけでも、他人への期待を手放せるようになるのではないでしょうか。
私も他人には基本期待しないスタンス。期待したところで、100で返ってくることはありませんし、過剰な期待は自分ががっかりするだけです。

こちらが良くしたのに相手に無碍にされる、怒れてきますよね?でもそういう相手に見返りを求めたところで無理だし、時間の無駄。もう忘れて次に行きましょう。
努力が報われる人はひとり時間を大切にし、報われない人は群れたがる。
自分は一体どんな未来を描きたいのだろうか。自分が毎日がんばっていることは、本当に自分にとって大切なことなのだろうか。私たちは、自分の居場所によってペルソナを使い分けています。その仮面を取る時間を確保できているでしょうか。
努力はただすればいいものではありません。努力しなくてもいいならしない方がいいし、努力の方向性を見失うと遠回りになってしまいます。
努力した先に何を求めるのか?を見失ってはいけません。努力を続ける中で、たまにはひとりで自問自答する時間を設けてはいかがでしょうか?
ずっと人と群れていると、自分を晒け出す時間がなくなります。常に人にどう見られたいかという仮面を被った状態が続くわけです。そうしていると、自分が何を目指していたのか、ゴールがわからなくなってしまいます。

寝る前や朝など、ひとり時間を作りやすい時に実践してみよう。
3行ノート
この本を読んだ方に併せてオススメしたい本
◎「夢を叶える「打ち出の小槌」」堀江貴文

コツコツ教が日本には蔓延していて、誰もがコツコツ教の信者になってしまっている。でも、それを否定するだけで、ショートカットの道が見つかるのだ。
コツコツやらなくてはいけないという常識を打ち破って一気に成功を手にしましょう。
ちなみに本書の「打ち出の小槌」は、一言で言えば「信用」のこと。
◎「嫌われる勇気」岸見一郎・古賀史健

健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
対人関係の軸に「競争」があると、人は対人関係の悩みから逃げられず、不幸から逃れることができません。
哲学者「哲人」とアドラーの考えに賛同しかねる「青年」との会話調で進められています。
内容は少し難しめ。読んでみて面白かったら続編「幸せになる勇気」も併せてどうぞ。


