【本の要点】
- 「西野亮廣」は芸人になるべく地元兵庫県を飛び出し、大阪の「新世界」にアパートを借りました。
お兄ちゃんとお姉ちゃんが大学へ進学したため、仕送りをもらえる状況ではなく、常にカツカツな生活を送っていました。
相方「梶原雄太」と出会ったのは19歳、吉本養成所でした。ひたすらにお笑いに時間を割く日々。先輩からの飲みのお誘いなんかも断ってネタを書いていました。おかげで周りからは悪印象。
しかしその努力は結果となって表れ、若い時から売れっ子になりました。しかし若さではどうにもできない経験の差が露呈し、干されてしまいます。
そこで西野さんは考えました。「この先芸能界でいくら頑張ったところで、そのレールの先を走っている先輩芸人は決して追い抜けない。ならば自ら新しいレールを作ろう」と。 - 西野さんの本を紹介したのはこれで4冊目。過去に紹介した本と被る内容も多々あります。
本書のテーマは『信用』です。
西野さんはどの本でも「信用」について何かしら書いています。それだけ今の時代に大事だということでしょう。
著者について
刺さった箇所5選
キミに守りたいものがあるのなら、「お金」の話から逃げるな。
「お金」の問題をクリアできなくなってしまった瞬間に、キミの活動は強制的に終わらされてしまう。そんなことを知っているキミは、「そこで取り返しがつかなくなるぐらいなら、このままココにいた方が、まだマシだ」と、ベストではなく、”まだマシ”な場所に根を張る。そこが「ブラック企業」であろうとだ。
西野さんの著書「夢と金」にて大きなテーマになっていたのがこれ。夢を追うにはどうしてもお金の問題は付きまとう。
昔に比べて、お金の調達手段が増えました。代表的なのが「クラウドファンディング」です。西野さんは絵本「えんとつ町のプペル」に必要なお金をそれで集めました。
お金とは『信用』であり、クラウドファンディングとは『信用を換金する装置』だ。
ホームレス小谷は「お金持ち」じゃなかったけど、「信用持ち」だった。信用を稼ぎに稼ぎまくっているから、「クラウドファンディング」という「信用をお金に換金する装置」を手にした時に、お金を作り出すことができた。
信用の話。具体例として、西野さんに勧められてホームレスになった芸人「ホームレス小谷」が取り上げられています。
小谷さんは1日50円で何でも屋さんをしました。すると買う側は50円というあまりに少ない賃金に申し訳なくなり、その日のご飯を奢ってくれたりするのだそう。その時点で50円以上の価値を得られたということですよね。

お金とは別に「信用」を得ることができたということ。
日常となる信用販売
サービス業においては、「信用持ち」の販売スタッフがいた方が商品は売れるので、当然、サービス業における「信用持ち」の就職内定率は上がる。
貯金したお金は卸してお買い物に使えるように、貯信した信用も使えます。
例えば、信用が貯まっている店員さんがいると、多少他の店より高くても「あの人から買いたい!」って来てくれたりするんです。

物価が上がり続ける時代。お金を貯めるより信用を貯めた方がいいのかもしれませんね。
嘘を捨てろ
嘘をつくことで露出を続けると、認知度は上がるけど、人気度(信用度)は確実に落ちる。
嘘をつくと信用が落ちる、当たり前ですよね。
本書では、例としてグルメ番組を挙げていました。これが分かりやすかったです。
番組にはスポンサーというお金を出す人がいます、スポンサーとしては番組を盛り上げて欲しいため、番組に出てくる料理に対しても「美味しい」と言って欲しいわけです。
出演者は、たとえ不味くても美味しいと言って好感度を取りに行かなくてはいけないのです。
ただし、今のご時世食べログなど、ネットで評判を調べられます。つまり「嘘がバレる」んですよね。
バレると当然好感度が下がります。なんでも美味しいと言ってくれるタレントはスポンサーからは好かれて他の番組にも呼ばれるかもしれませんが、信用はどうでしょうか?
お金を払って働く未来
それくらい今は「作ること」が娯楽になってきている。完成品を受け取るのではなくて、完成させるまでの苦労や達成感に価値が発生しているんだ。それに、「圧倒的に面白い」や「圧倒的に面白いイベント」の作り手側に回ると、自分の信用ポイントが上がる。
もう意味わかんないですよね。お金を払って信用を買うような時代。
西野さんが時々開催するイベント「サーカス!」について、発行されるチケットは「SS席」「A席」などある中、「サーカス!のスタッフになれる権(オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』内のみの販売)」があって、それが一番人気だそう。
これが進むといつか観客が無料でスタッフが有料がイベントが誕生するかも?
3行ノート
この本を読んだ方に併せてオススメしたい本
◎「夢を叶える「打ち出の小槌」」堀江貴文

常識では「打ち出の小槌」は存在しないと認めながらも、「なぜ、存在しないと言い切れるのか?」と反常識発想をしてこそ、新たな視点を獲得することができる。
新たな視点とは「打ち出の小槌」を自分がこの手に握っていることに気づくことだ。くわしくは本書で説明していくが、「打ち出の小槌」がなんであるか一言で言えば、「信用」のことなのだ。
堀江さんは「貯金して、何がうれしいの?」タイプです。
信用があればハッタリが効かせられ、そのハッタリがうまくいったら大きく飛躍することができるのです。
◎「伝えることから始めよう」高田明

「伝える」と「伝わる」は違うんです。お客さまに、伝わるべきことがしっかり伝わっていなければ、お客さまの心は動かないと思います。「伝えたつもり」で終わってしまったら、商品を買っていただくことはできない。それが、ラジオ・テレビショッピングを通じて、私が一番学んだことでした。
テレビショッピングで売り込むにはその価値を伝えるのは必須。
お客様からの信用をとても大事になさっています。
また、番組ではターゲット層を意識した伝え方がしっかり考えられています。
話口調の文章で読みやすく、読書初心者の方にもオススメ。


