【本の要点】
- 「前田裕二」の経営者人生が始まったきっかけは、親戚のお兄ちゃんがくれたアコースティックギターでした。
お金を稼ぎたくて、路上で弾き語りを始めますが、なかなかお客さんが足を止めてくれません。どうしたらお客さんが止まってくれるのか?試行錯誤を重ねた結果、徐々にお客さんが止まってくれるようになり、おひねりで1万円を置いて行ってくれる人まで現れたのです。
新卒で入った外資系投資銀行、のちに入社したDeNAを経て、株式会社「SHOWROOM」を創業しました。 - 前田さんは、以前紹介した書籍「メモの魔力」で知りました。メモに対して変態レベルでこだわりを持っており、就活などに使う「自己分析ノート」を30冊書いたらしい。
ホリエモンこと「堀江貴文」さんも前田さんのことを認知していて、以前見たYouTube動画で「前田裕二はすごい」なんて言っていました。これは気になりますよね。
自身の幼少期から、SHOWROOM株式会社創業、これから展望まで網羅して書かれています。かなり面白く、すらすら読めました。
著者について
刺さった箇所7選
モノ消費からヒト消費へースナックの客は人との繋がりにお金を払う
スナックに行くとすぐに気づくことですが、スナックには、それほど特別なお酒もなければ、美味しい料理もありません。大体、ごく簡単な乾き物が出てきたり、ママが作ったアットホームな煮物が出てきたりするくらいです。ここで重要なのが、お客さんは、これら表層的な何かを求めてスナックを訪れているわけではない、ということです。
『ヒト消費』の話は、以前紹介した西野亮廣さんの「新・魔法のコンパス」でもされていました。ラーメン屋を例にすると、モノ消費で勝負しようとすると、価格競争に巻き込まれます。でもヒト消費、つまり「あのオヤジが作ってくれるから食べに行こう」と思えるラーメン屋は多少値上げしても、お客さんは割と受け入れてくれるんですね。

「あいつに頼もう!」って思ってもらえるような人間になろう。
コミュニティ作りがあらゆるビジネスの鍵になる
コミュニティ運営とは、一つの村を作るようなものです。もし村長やリーダーに頼りがいがなかったり、町に何か課題があったとしても(余白の存在)、ずっと同じ村に住み続ける同志として結束して助け合い(常連客の存在)、同じルールを共有して(共通言語の存在)、同じ敵と戦います(仮想敵・共通意識の存在)。
先ほどのスナックの話の続き。小さな市町村にお住まいの方はよくわかるのではないでしょうか?

私の周りにもコミュニティがあります。持ちつ持たれつで助け合っていますよ。
一人の力では地球は動かせない
大学内定者のうちに、宇田川さんに、「この仕事をする上で、勉強しなくてはいけないことは何ですか?」と聞きました。ーすると宇田川さんは、「勉強なんかいらないよ。とにかく人に好かれること。秘書でも、掃除のオバちゃんでも、受付の人でも、好かれなくちゃダメだ」と答えました。
一人の力では限界がある、けっこうビジネス本に書かれています。
ちなみに宇田川さんとは、前田さんが入社した外資系投資銀行の先輩です。人に好かれ、また人を好きになる天才だったそう。
好きになるように接していると、だんだんと相手も自分を好きになってくれるとのこと。

私は数年前に友達グループにハブられてから基本人を好きになれません。好きなればなるほど、裏切られた時悲しくなるから。
少しずつ人を好きになるように意識しないといけませんね。
当たり前のことを圧倒的なエネルギーでやり続ける
実はどの分野でも、基本中の基本をやり続けている人は、意外と多くない。何か特別なことをする必要はなく、当たり前を徹底的にやり続けるだけで、他の人とは圧倒的な差がつくんだと、この時に知りました。
投資銀行時代の話。毎日隅々まで日経新聞を読み込むのは基本中の基本。しかし仕事に慣れてくるとどうしても読み込みが甘くなってくるとのこと。しかし宇田川さんはずっとこの作業を何十年も続けていました。
「初心忘れるべからず」。仕事においてもブログ執筆においても、基本を忘れているかも…ってハッとさせられました。
まずゲームのルールを理解する
プライドの高い営業を取りたいと思うか?と言われて、またグサッときました。藤井さんは、「肉」とおでこに書かれた状態のふざけた顔で、続けます。「プライドはコミュニケーションの邪魔になる。まず、お客さんとコミュニケーションの接点を増やせ。そうしないと、僕たちの仕事は始まらない。あいつバカだねと思ってくれた、成功だ。バカを演じ切った次の日に、お客さんに電話してみろ。俺の言っていることがわかるはずだ」
投資銀行時代に前田さんは業績を上げるべく、誰よりも早く会社に行き仕事に励みましたが、営業電話にあまり出てくれなかったりと、成績が伸び悩んでいました。
そんな中、お客さんと良好に付き合えている、宇田川さんの直属の一番弟子である藤井さんに教えてもらったことです。
そこで前田さんは、自分が相手に与えたいことばかり目がいっていたが、相手に「こいつなら話を聞こう」と思われる努力をしてこなかったと気付かされたとのこと。

先程出てきた「ヒト消費」ですよね。
他者の価値観という物差しを当てる
価値観の深堀りおよび言語化ができていない状態で、給料がいいから、休みが多いから、何となく楽しそうだから……など、表層的に見えている要素でのみ判断した意思決定は、どこか後悔を引き起こす可能性が高いと思っています。かといって、自分の価値観なんて、そう簡単に言語化できない。そんなときに、ロールモデルたり得る誰かの価値観を比較対象として研究することで、多くのヒントを得ることができます。
私もこれまで何十年と生きてきましたが、これに気づいたのはけっこう最近。自分の価値観を人に押し付けてしまう、そんな経験ありませんか?
人は成長する過程で価値観が構築されてきます。この積み重ねたものは強固で、変わることはほとんどありません。

「他人は変えられない。」これが結論。
ソーシャルネットワークの次に来るもの
南場さんがよく言います。「企業が、よおの中に提供している価値や、生み出している新しい幸せが大きければ大きいほど、それに応じた利益が返ってくるもの。つまり、利益は、企業がどれほどの価値を世に果たしているかを測る、通信簿だと思うのです」と。
南場さんとは、株式会社DeNAの代表取締役会長(本記事執筆時点)の「南場智子」さんのこと。
頑張ればだれでも成果が上がる、そんな簡単な話ではないですよね。それが世の中にとっての価値につながっているかが重要。

努力する前にそのベクトルを決めよう。
3行ノート
この本を読んだ方に併せてオススメしたい本
◎「メモの魔力」前田裕二

なぜ僕は、ここまで狂ったように「メモ」にこだわるのか。それは、この「魔法の杖なんてない」と言われる世知辛い社会において、メモこそが自分の人生を大きく変革した「魔法の杖」であると直感しているからです。
前田さんはメモ魔で、常にお気に入りのメモ帳を持ち歩いており、日々気になったことなどを書き留めているとのこと。
YouTubeでとある前田さんの対談動画を拝見しましたが、そこでもメモ帳を持っていて、時折何かメモしていましたw
◎「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」堀江貴文

人が新しい一歩を踏み出そうとするとき、次へのステップに進もうとするとき、そのスタートラインにおいては、誰もが等しくゼロなのだ。つまり、「掛け算の答え」を求めているあなたはいま、「ゼロ」なのである。そしてゼロになにを掛けたところで、ゼロのままだ。
堀江さんも前田さんのことを一目置いています。
有限会社オン・ザ・エッヂ(のちのライブドア)を創業して時の人になっていた矢先、2006年1月、証券取引法違反で逮捕され、刑務所に2年6ヶ月収監されていました。そこで一度堀江氏はゼロになったんです。
契機狩猟からは新たなスタートを切って、今では多岐にわたる事業に携わっています。
前半は堀江氏の反省が書かれており、後半は自己啓発的な内容。


