【本の要点】
- 21世紀のビジネスは、「モノ」を売ることから「価値」を売る方へとシフトしていくことでしょう。
20世紀のビジネスはまだまだモノに溢れていない時代だったので、頑張れば頑張るほど売れる時代で、他人を蹴落としてでも利益を勝ち取るような風潮があったといいます。
それを経験した人は、モノだけでは幸せになれないことを知るのです。
モノ+αの”α”が差別化ポイント。この”α”は、買い手の心に訴えかけるモノ、つまり『感動』です。
感動を提供するビジネスが21世紀の主流になることでしょう。 - 本書では、ビジネスにおいて必ず存在する「売り手」「買い手」双方がハッピーになる、ウィンウィンの知恵が大きく7つに分けて語られています。
本書は初版2006年と20年近く前に書かれたのですが、現代の的を得ていると思います。
今読んでもためになる内容です。
著者について
刺さった箇所7選
感動とはつながりを実感すること
商品やサービスでも、「そこまでやるか!」という圧倒的に高い基準のこだわりに接したとき、そこに提供側の情熱や汗の量を感じ、感動を覚えるのです。
これ、ハッとさせられました。普段ビジネスをしているとどうしても疎かになってしまうことではないでしょうか?
買い手であることを想像したとき、大して商品を愛してなさそうな人から買いたいとは思わないですよね。
「最大限の自分になる」
仕事のレベルでは、「ここまでやらないとまずいぞ」という最低基準と、「これ以上はやりすぎだ」と思う上限の基準の範囲が、個人や組織のパフォーマンスエリアになります。最大限の自分を目指すことをテーマとして意識しだすと、日常の様々な領域で「パフォーマンスエリアの基準」が上がり始めることを体験するでしょう。
信用の話。具体例として、西野さんに勧められてホームレスになった芸人「ホームレス小谷」が取り上げられています。
みなさんなんとなくですが、収入について、これ以下になると不安になるラインはありませんか?
かといって逆に、急に収入が増えるとそれはそれでなんか不安になります。
最大限の自分を目指し続けることで、そのエリアが上へとシフトしていくのです。
「成功者には独特の『センス』がある」
「センス」=ものごとについての見方や感じかたなどの微妙な感覚
思いもよらないきっかけで磨かれたセンスが、後の方向を決めていたりするのです。「私はセンスがないから」というのは間違いで、正しくは「私はセンスをまだ磨いていない」という言い方が正しいのです。
ここ読んで救われました。周りの人を見ていると、いかに自分のセンスがないんだろうと思い知らされるのが多いので。
後天的にセンスを身につけることができるのなら、頑張ろうって思えます。並大抵の努力ではダメなんでしょうが…。
育ってきた環境でもセンスが開花するらしいです。自分が気づいていないだけで、実はなにかしらのセンスが身についているのかも?

こういうのって自分だと気づきにくいですよね。友達に「お前って〇〇だよね」とか言われて気づくもんだと思います。
ビジネスでドラマを起こす自分がお客様になったとき、「嬉しくなる接客」とか「感動レベルの商品」などに出会うことがあるはずです。そのとき、自分の仕事とのつながりを見つけるように頭が作動するのが「ドラマティックセンス」です。どのような「リンク」が可能なのかという「つながり」を発見するのです。
私はお店を選ぶとき、接客をかなり重視します。どんなにモノサービスが良くても接客が悪ければ二度といきません。
もし心地よい接客に出会ったなら、なぜそう感じたのか?(声質?、言葉遣い?、細かい配慮?)一度研究してみましょう。
それを繰り返すことでドラマを生み出すセンスが磨かれていくとのこと。
モノサービスそのものについても、素晴らしい出会いがあった際には浸って終わりではなく、なぜそう感じたのかを一度考えてみよう。
”伝わらなければ存在しない”
商品の魅力も、サービスのよさも、そしてあなたの会社の存在さえも、お客様に伝わらなければ存在していないことになるのです。お客様のことをいくら大切に想っていても、それを「言葉、行動、表情」で表現しないと「存在しない」ものになるのです。
良い商品・サービスを作ったらそれをお客様に売り込む必要があります。
気をつけなければいけないのが、伝えてるつもりでも相手に伝わっていないケース。本書によると、私たち人間は「そうだよな」「ああいいな」と共感した情報以外は、潜在意識に入らないらしい。

「共感」してもらえる相手に精一杯魅力を伝えよう。
アンテナを立てて、前に進め
アンテナが高くなるほど、こちらから「発信できる」範囲が広がっていきました。範囲が広がると、思いもよらない人との出会いが増えてきます。
「可能性という電波の受信と発信」
共感センスとは自身のブランディングのことでもあります。「自分ブランド」を築き上げることが大切。
そのあとはアンテナを立てて、思いもよらないチャンスを見逃さないようにしましょう。
人生はハッピーエンド物語の舞台である。舞台のテーマをハッピーエンドか悲劇かを決めるのは、各自の選択による。
普通の人生を送る人も、成功者も、偉人も、スーパースターも、誰もが等しく順調と不調、好調とスランプなどの波を経験しています。
今成功しているあの有名人も順風満帆だったわけではないでしょう。ずっと好調な人なんていません。

変化を楽しもう!
3行ノート
この本を読んだ方に併せてオススメしたい本
◎「革命のファンファーレ」西野亮廣

情報は、行動する人間に集まり、更なる行動を生み、また情報が集まってくる。行動の連鎖だ。勇気のせいにしてはいけない。今、あなたが行動できていない理由は、あなたが情報収集をサボっているせいだ。努力だ、圧倒的努力。これに尽きる。
西野さんは”現代に合った”ビジネスを考えています。
NFTやクラウドファンディングを活用しており、絵本製作費やイベント運営費などに充てているとのこと。
ビジネス本を探している方は一度読んでみてほしいです。
◎「伝えることから始めよう」高田明

「伝える」と「伝わる」は違うんです。お客さまに、伝わるべきことがしっかり伝わっていなければ、お客さまの心は動かないと思います。「伝えたつもり」で終わってしまったら、商品を買っていただくことはできない。それが、ラジオ・テレビショッピングを通じて、私が一番学んだことでした。
テレビショッピングで売り込むにはその価値を伝えるのは必須。
今回紹介させていただいた本でも”伝わる”ことの重要性が書かれています。
話口調の文章で読みやすく、読書初心者の方にもオススメ。


