【本の要点】
- 他人が怖い、恥ずかしいと感じる方へ。そんな自分を他者から守るため、人と接することを控えたり、その性格を治そうとした経験はないでしょうか?
本書の著者も、内向的な自分が嫌で、そんな自分を変えようと数々の関連本を読み漁ったとのこと。
その結果ひとつの結論に行き着きました。それは「世の中には、いろいろな考え方の人がいるんだ」というシンプルなこと。
人と違ったって良い。人によって幸せも違うのですから。
心の持ち方ひとつで、人生は変えられるのです。 - 数々の心の悩みに寄り添い、どう和らげるのか。
各章3〜5ページで構成されているため読みやすく、目次を見て気になる箇所だけ読むのもアリです。
筆者は心理学者でもなければなにかの専門家でもありません。自分の思うことをネットで表現していたら反響を呼び、それを落とし込んだのが本書。
繊細な心を持つ方にぜひ読んでいただきたい。繊細な人は傷つきやすいです。私もそう、常に悩み苦しんでいます。どんどん悪い考えに陥り、負のスパイラルになるのです。
私はけっこう刺さりました。不安症や心配性の方にはぜひ読んでいただきたいです。
著者について
刺さった箇所7選
深刻に考えすぎることをやめよう
生きることに絶望してしまった人は、決して人生を粗末にしているわけでも、努力を怠ったわけでもありません。むしろ、あまりに「人生を重大視しすぎてしまった」のです。自分というものがあまりに大切だから、些細なことを気に病み、思い通りにならないことに苦しんでいるのです。
第1章の最初の項です。いきなり刺さりました。私は心配性&不安性で、普段と違うことが起こるとすぐに最悪の結末を考えてしまい、それが頭から離れられなくなるのです。

自分を大切にしすぎているから。確かに自分に降りかかる不幸に敏感になっているのですから。
この章にはこんな格言が書かれています。「泣いて暮らすも一生、笑って暮らすも一生。」
泣いても笑っても一度きりの人生、不安は尽きませんが、少しでも笑っている時間が多い方が結果的に幸せになれるのだと思います。
考え方の癖を直そう
性格を直そうと思ってもなかなかできないのは、人格の問題というよりも、習慣化した考え方のパターンを断ち切ることに不安を感じるからです。あなたが自分の性格を直したいと思うなら、考え方の癖、その習慣を変えればよいのだと考えれば、ずいぶん気が楽になります。
何度も自分の心配性な性格、ネガティブ思考を変えたいと思ってきました。今でもいろいろ試行錯誤しています。少し良くなってきたと思えば元に戻る、その繰り返し(少しずつですが快方に向かっている気もします)。

どんどん悪いことを考える”習慣”が身についているんでしょう。みなさんも習慣化した考えが根付いてしまっていませんか?
特別な状況を一般化していませんか
「たまたま悲しいことがあった」、「たまたまある人に嫌われた」という特別な状況を一般化して、それがすべてであるかのように考えてはいけません。

これわかる!私も当ブログで何度かお話ししましたが、何年か前に、ほぼ毎週遊んでいた友達グループからハブられました。それからというものの、人との距離を縮めるのが嫌になりました。
人が信用できなくなったんですね。今は少しマシになりましたが、未だにこちらから人を遊びに誘ったりすることは極端に減りました。断られるのが怖いんですね。
人はひとりでは生きていけません。少しずつ人に慣れなくては。
孤独を楽しむ人こそ、多くの友人に囲まれる
怖れることはありません。自分の孤独を認めることで、あなたが不幸になることは絶対にありません。むしろ、表面的な人付き合いで孤独をまぎらわしている人の方が、よっぽど不幸です。やみくもに他人を求めず、孤独を楽しんでいる人の方が、かえって他人から必要とされ、多くの友人に囲まれることになるのです。そういう人は、他人にあれこれ要求しないので、付き合う側も楽なのです。
先ほど話したように友達にハブられてからしばらく孤独になりました。詰まっていた毎週末がポッカリ空いたのですから。いかに依存していたのかが分かりました。
しばらくは苦しい日々を送っていました。彼らは今でも楽しく仲良く遊んでいるのを想像すると胸が苦しくなりました。いっそ命を絶った方がいいのかな?と考えた時期もありました。しかしふとしたきっかけで、ブログという趣味に出会い、また別の友達の紹介で釣りという趣味もできました(最近できていませんが)。

ひとりでも楽しめる趣味に出会えたんです。ある本に書いてありました。「他人を求めるのではなく、人が寄ってきてくれるような人になりなさい」と。感じるものがありました。
他人に期待することをやめよう
幸せを感じている人は、まわりのすべての人から理解されているわけではありません。「他人は自分を理解してくなくて当然、してくれた人には心から感謝しなければならない」と考えているだけです。
これとても大事な考え方。人に期待すると、相手に求めるハードルが高くなります。すると、思ってたのと違う結果になることが増えます。するとその相手に悪い印象ができるわけです。
どれだけ親密な関係であっても、育ってきた環境が違うので、価値観は絶対どこか違ってきます。相手に期待するということは自分の価値観を押し付けていると同じ。

期待しないくらいで接した方が気が楽ですよ。
悪いこととよいことは、常に一対である
何かひとつのことに執着しはじめると、それは知らず知らずのうちに、自分の心の中でどんどん肥大化していってしまいます。他人から見れば「なぜそんなことにこだわるのか」と不思議に思うことでも、当人にとっては人生の明暗を分ける重要課題のように思えてしまいます。そのために、もっと大切なものが目に入らず、幸せを逃してしまう結果となります。
心配性の私は常になにかに執着しています。「〇〇したらどうしよう」って。
でもよくよく考えると非常にくだらないことで、別にそれが起こったとしてもそれから対処すれば十分なのです。頭では分かっているのに悩んでしまう。

こういう時、「両親」「数少ない友人」「共通要素のある仲間」に目を向けようと、こんな私と接してくれる人を無下にしないようにと考えるようにしています。
過去と他人は変えられない
過去と他人は変えられません。変えられるのは、自分の考え方、現実の受け止め方のみです。一生、強がって自分をごまかしながら生きるか、勇気を出して自分を変える勇気をもつか。本当に楽なのは、どちらでしょうか。
これ他の本にも書かれていました。他人に何か求めるのは適切ではありません。他人に不満があってもそれを満たしてくれるように求めてはいけません。自分が変わるしかありません。
過去は存在しません。「いま、ここ」を全力で生きる、それが大事なのです。

過去を後悔したり、栄光に浸り続けるのはやめよう。
3行ノート
この本を読んだ方に併せてオススメしたい本
◎「心配事の9割は起こらない」枡野俊明

さあ、心配事の”先取り”などせず、「いま」「ここ」だけに集中しましょう。ポイントは、減らす、手放す、忘れるー。そうすることで、もっとラクに、のびのびと、前向きに生きている自分に出会うことができるでしょう。合 掌
◎「嫌われる勇気」岸見一郎・古賀史健

人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しません。あなたは過去や未来を見ることで、自らに免罪符を与えようとしている。過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来はどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。
哲学者「哲人」とアドラーの考えに賛同しかねる「青年」との会話調で進められています。
内容は少し難しめ。
読んでみて面白かったら続編「幸せになる勇気」も併せてどうぞ。