【レビュー】『ゆるストイック』を読んだ感想・学んだこと

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書評

【本の要点】

  • かつて日本では自己啓発ブームなるものがあり、「意識高い系」が登場していました。そんな中世界を震撼させたコロナウィルス。これにより自粛ムードで日常生活が制限され、今まで当たり前にできていたことができなくなりました。
    その時代に登場したのが「意識低い系」。頑張らなくていい、力を抜いて生きよう、とする人たち。
    現在はコロナ禍も落ち着いてきました。世の中は二極化しています。
    かつて意識高い系だった人、コロナ禍で意識低い系を目指した人は今後どうしたらいいのでしょうか。
  • 誰でも知っているであろう「井上尚弥」「藤井聡太」「大谷翔平」。彼らに共通しているのが『ゆるストイック』です。
    『ゆるストイック』とは、自分にとっての「やるべきこと」を明確にし、ひたすら取り組むことです。でもそれを他人に奨めるようなことは絶対しません。また、ひとりでやるのではなく、時には周りの人の力を借りながらゆるく頑張るのです。
    本書では『ゆるストイック』で生きるために知っておくべきこと、必要なもの、考え方などが記されています。

 

 




著者について

【佐藤航陽】
株式会社スペースデータ代表取締役社長。
1986年福島県生まれ。
早稲田大学在学中にIT企業を設立。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヶ国に展開する。
コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。
『ゆるストイック』のプロフィールページより抜粋

 

刺さった箇所7選

指導することはコスパ悪い
多様性が重視される現代では、「他人の働き方に干渉すること」がタブー視されつつあります。
今では、「意欲のある人にだけ教育のリソースを割く」という流れが一般化し、やる気が見えない人に関しては黙認するほうが「コスパいい」といった風潮が強まっています。

 

今の若者って少し嫌なことがあるとすぐ仕事辞めちゃうイメージ。退職代行が流行っているのもそういうことですよね。

 

ジル
ジル

正直そんな人間に干渉したくないです。腫れ物に触るようなもの。

 

そうなると自己管理できる人間とそうでない人間とでは差が離れていきますよね。

 

黙々と自己管理しましょう。

 

 

ゼロ失敗思考:百発百中を狙う深刻な現代
成功の対義語は「失敗」ではなく「無挑戦」です。成功するためには試行錯誤が欠かせません。失敗は、むしろ成功に不可欠な「素材」であり、失敗なしに本当の成功をつかむことはほぼ不可能なのです。

 

成功する人はその裏で失敗を重ねているものです。今までたくさんの成功者の著書を読んできましたが、みなさん大きな失敗をしています。

 

成功者が何かしでかしたとき攻撃してくる人がいますが、そういう人は失敗が怖い人。他人に攻撃している立場上、自分が失敗することを極度に恐れるのです。

 

ジル
ジル

失敗を恐れずに挑戦しよう。失敗して無惨な自分を曝け出したとしても、人って思っているより他人のことを気にしていないものです。

 

 

成功を支配するのは「才能」ではなく「運」
多くの人が持つ才能やスキルは「正規分布」に従います。一方で、経済的な成功は、偶然チャンスを掴んだ少数の人が大半の成果を得る「べき乗則」の世界にあります。

 

2022年のイグノーベル賞で「社会的な成功において重要なのは『才能』よりも『運』であることの数学的な証明」がされました。

 

その研究では、我々が暮らす現実世界を、ある2つの世界の重ね合わせとして捉えています。それが①「才能が支配する『正規分布』の世界」②「運が支配する『べき乗則』の世界」です。

 

多くの人が持つ才能やスキルは「正規分布」に従いまして、経済的な成功は運を掴み取って少数だけが得られる「べき乗則」に従います。

 

ジル
ジル

才能があればいいというわけではないんですね。

 

 

成功は「2つ」の掛け算で起こる
「途方もないように見える成功」は、下の図のように、2つの要素の掛け算で発生する現象であることがわかりました。「独自性(ユニークネス)」と「タダ乗り(フリーライド)」

 

成功には運要素が大きいですが、運以外の「才能」「努力」の部分も欠かせません。

 

規格外の成功は①「故意に『独自性』が発生する」②「環境に『タダ乗り』する」ことで急拡大するとのこと。

 

ジル
ジル

運が大事なので、少しでも試行回数を増やすのも重要ですが、その中でその2つの要素にも気を遣いたいですね。

 

 

「好き」と「得意」を軸にニッチを探す
一部の超人的な才能を持つ人を除けば、誰もが戦略的に自分なりの「ニッチ」を探す必要があります。なぜなら、どんなに努力を重ねても、才能や能力では上には上がいるからです。
「好き→得意→需要」の順番で考えることが最も成功確率が高くなります。

 

「努力は夢中には勝てない」のです。また、いきなり大きな市場で戦おうとしても対抗馬が大きすぎて勝ち目がありません。まずは小さな市場で頑張って、少しずつ規模を大きくしていきましょう。

 

ジル
ジル

これブログのジャンル決めに考えることと似ています。まずは好きなこと前提でないと長続きしません。

 

 

努力と試行における3つの方向性
「才能と運が支配する世界」で、私たちがどのように努力を続けていけばいいのか。
・自分に配られたカードを知る
・活動に没頭する
・柔軟に変化し続ける
この3つの軸で考えていくのがいいでしょう。

 

正しい努力をするかしないかで成功までの距離が大きく変わります。正しいベクトルを努力しましょう。

 

ジル
ジル

個人的に「自分に配られたカードを知る」ことが、忘れがちだけどとても大事なことだと思いました。

 

自己分析が大事。「他人に褒められるけど自分では特に意識してなかったこと」を見つけよう。

 

正しさの存在しない世界に生きる
かつて、マスメディアが情報を一方通行で伝えることにより、少なくとも表面的には、「共通の真実」が形成されていました。
ためしに今、SNSを開いてみてください。自分に合う意見や見解だけが表示され、似たような考えに接しやすくなっているはずです。

 

自分と違う立場の意見が目に入りにくくなっているということ。SNSは自分の見ているものを学んで近いコメを表示するので、自分と違った意見はあまり表示されませんよね。

 

自己肯定感は上がりますが、意見の偏った人間になってしまいます。意識的に別視点の意見も取り入れるようにしましょう。

 

 

3行ノート

①失敗を恐れずたくさんチャレンジする
成功の反対語は「無挑戦」
失敗が成功の糧になる
②成功できる分野を探す
勝つために「好きなこと」「得意なこと」を探す
そのために自己分析をしよう
③自分と違う意見にも目を向ける

SNSには自分と似た意見しか表示されない

 

3行ノートとは?
私は本を読破するたびに「3行ノート」をとっています。
これは『メモで自分を動かす全技術 高田晃著』で紹介されていたもの。
本から学んで終わりではなく、実際に行動に移すためのノートです。
本から学んだことの中から3つだけ「これからやっていこう」と思った項目を厳選するだけ。
私はもう少し広いニュアンスで「本から学んだ、自分にとって特に大切なこと3選」みたいにして書いています。

 

《今回紹介した本の情報》
タイトル:ゆるストイック
著者:佐藤航陽
定価:本体1,600円(税別)
出版社:ダイヤモンド社
目次:
第1章 時代が「ゆるストイック」を求めている
第2章 ゆるストイックの心の準備
第3章 「世の中の仕組み」をゆるく理解する
第4章 ゆるストイックに過ごす方法
第5章 ゆるストイックを持続するコツ
第6章 不確実な未来に備える

 

 

この本を読んだ方に併せてオススメしたい本

◎「最大化の超習慣」堀江貴文

『最大化の超習慣』のあらすじ紹介〜習慣にしてやり抜け〜|書評
ここ最近のテクノロジー進歩はすさまじい。未来を予測するなどできなくなっています。そんな世の中で我々がやるべきことはシンプルで、「いま」「ここ」で目の前の短期目標をひとつひとつクリアすること。長期的な目標は必要ありません。目の前のことに取り組...

仕事や人生を成功に導くうえで、なにも特別な才能やセンスはいらない。あなたの歩む先には変数が満ちている。その変数はときとして才能やセンスを無力化する。だからそれより重要なのは、あなたの手持ちの能力を最大化することだ。臨機応変に最大化していくことである。

元・株式会社ライブドア代表取締役CEO、現在はロケット事業など多岐にわたって活躍する「堀江貴文」さんの著書。
堀江さんは根性論が好きではありません。夢中になることが大事だと言います。
習慣化するための時間術、「やり抜く」ための習慣などが記されています。

 

◎「かすり傷も痛かった」箕輪厚介

『かすり傷も痛かった』のあらすじ紹介〜バカになって熱狂しても続かない〜|書評
『死ぬこと以外かすり傷』幻冬舎の編集者箕輪厚介さんが2018年に書き上げた本。箕輪さんは本業である編集業のみならず、ラーメン店オーナー、演歌歌手などマルチに活躍していました。テレビ番組のレギュラーを務めたり、講演したり、オンラインサロンを作...

人生は長い。僕と同じように仕事を頑張っていた人で、心がポキッと折れてしまった人も、少なくない。割と当たり前にある。
人生の中で、一心不乱に頑張るときもあれば、すこし休むときもあって良いのだと思う。

幻冬舎の編集者にして、オンラインサロンやラーメン屋のオーナーなど多岐に活動する箕輪厚介さんの著書。
箕輪さんもかつてストイックに走り続けていました。しかし文春砲を喰らってブレーキがかかり、一度自分が歩んできた道を見直してみたとのこと。すると、時にはゆるさも必要なのだと考えるようになりました。ストイックな頃に執筆された「死ぬこと以外かすり傷」を反省した内容。「死ぬこと以外かすり傷」の全内容が載っていますので、そちらを読みたい方は「かすり傷も痛かった」を購入することをオススメします。