【本の要点】
- 街を歩いている陽キャグループ、インスタのウェイウェイしている投稿を見て孤独や劣等感を感じたことはありませんか?
本書は「ひとり行動」系Youtuber『コスメティック田中』さんが、正しい孤独への接し方や孤独の生き方などを教えてくれます。
孤独な人間の特徴を心理学の性格特性の分類法『ビッグファイブ理論』を使って表していますが、私けっこう当てはまることが多く「あ、私ってやっぱ隠タイプなんだな」と実感しました。
私『コスメティック田中』さんのチャンネルたまに拝見しています。最近忙しいのか投稿頻度が減っていて寂しいですね。 - 世の中陽タイプと隠タイプがいます。いわゆる『外向型』と『内向型』。一般的に外向型の方が良い人生送りやすいとされています。
しかし近年では働き方も多様化してきて、会社のような集団より、個人の力に注目が集まっています。
そういう兆候は隠タイプには追い風。孤独でいることで個の力を高めることができます。
著者について
刺さった箇所7選
内向的/人との関わりが苦手
内向的…興味が主観的な心理状況に率られているタイプ
外交的…興味の焦点が外部のものに存在するタイプ
これすごい分かります。私は間違いなく内向型ですが、他人への興味が薄いです。昔友達グループにハブられてからより顕著になった気がします。

自分の趣味に没頭していたいタイプで、他人と長時間関わるとすごく疲れてしまいます。
ひねくれ思考
隠タイプの人間は、目に見えること以上の情報を読み取ってしまう想像力豊かな面があります。無意識で他人の言葉の裏を読もうとするために、人に疑いの目を向けやすく、それを積み重ねた結果、ひねくれたあまのじゃくになってしまうのです。
私はひねくれているのかは自分では分かりかねますが(多分ひねくれてる寄りかな?)、目に見えること以上の情報を読み取ってしまうことはすごく共感します。
ひねくれると同調圧力を受けにくくなります。同調圧力が強い日本では少し異質に見られるかもしれませんが、同調圧力を受けにくいって実はメリットでもあるんです。
同調圧力を受けないことで自分を出しやすくなるのです。周りに合わせてばかりいると本来の自分の実力が発揮しにくくなるでしょう。
内向的な人は、雑談のような素早い感情表現が求められるコミュニケーションを苦手としていても、じっくりと理性的な思考を求められる事柄ならフィットする可能性が高いとお言えます。
雑談とか苦手なんですよね。とっさに一言返せないんです。会話が終わった後に「あの時ああ返せばよかったな」と後悔することもたくさんあります。
そもそも雑談する時間ももったいないと感じることもあります。自分時間をすごく大切にするんです。会話中に「これ家帰ってゲームしてた方が有意義だよな」と考えてしまうこともあります。

これ直したいところ。会話自体に中身がなかったとしても、コミュニケーションをとっていることに意味があり、これがあとに効いてきたりするんですよね。
ただ雑談をするとやっぱ自分の会話力のなさを実感します。

人と会話している時、イマイチ気の利いたことが言えなくて、頭の回転が遅い自分が嫌だと感じることが多々あります。
私だけが特筆してるのだと思っておりましたが、内向型の特徴だったんですね。
孤独は最強の筋トレ
もちろん「人に快く手助けしてもらえる」「人に上手に甘えられる」といった能力も、経営者やマネージャーなど、上位のレイヤーになれば重要になってくるかとは思います。ですが、現実的に自分が生きていく上でプレイヤーとしての自分に頼れることへの安心感が強いのは、何事もひとりでこなしてきた人だと思います。他人と組まなくても、自分の人生を選択できるのです。
孤独ということは人に頼らないということ。つまりなんでも自分でやらなければならず、時には効率が悪いこともあります。
しかし、「ひとりでやりきること」それ自体が力になります。

とはいえ自分ひとりでやれることには限界があります。それを超えるには人と協力する能力も必要になってきます。人に頼ってばかりはやめましょう。
落ち込んでいる理由のほとんどは他人との比較
自分自身が幸せになるのに必要なのは、他人と比較をすることでしょうか。自分の幸せの基準や価値観を他人との比較で考えはじめてしまうと、むちゃをしてしまったりして望まない結果を招いてしまいます。自分のペースを保ち、コツコツ前に進むことでしか、自分の望む成果にはたどり着きません。
落ち込んでいる理由のほとんどは他者との比較。

これ私アドラーの教えで知りました。すべての悩みは「対人関係の悩み」なんですね。
比較は競争で生まれます。「他者との競争を意識するべきか」ですが、アドラーの教えでは他者との競争はすべきでないとしています。本書には「競争は楽しいと思えるとき、上手くいっているときだけ、意識すればいいものだと思います。」と書かれています。

競争を意識するかは人それぞれですが、競争で不幸になるくらいならしないでおきましょう。
「社会的繋がり」の把握
人間関係には「利得で繋がっている」側面と、「一緒にいること自体が目的である」側面があるとされています。
日本社会は、同調圧力・群れの意識が強いと言われています。若い人はみんな群れたがります。とにかく人と集まることが好きで、誰かと一緒にいないと不安になるのです。
これみなさん見に覚えありませんか?日本教育がそうさせていますよね。みんなと同じであることを良しとする文化。
特に学生時代が顕著で、ひとりでいることが異質にされてしまいます。あと本書にも書かれていますが、大学時代は友達がいないとけっこう苦労します。
もし学生で人間関係で悩んでいる人がいましたらご安心ください。社会に出ると今ほど人に関わる必要がなくなります。

体育の授業で「2人1組で作ってください」みたいなのやばくなかったですか?最後まで組めない人って絶対いますよね。今思うとすごく酷な作業だったなと思います。
個の力が強まっていく時代
こういったネット上の世界は、現実の社会と少し力学が異なります。画一的でまわりを気にする世の中だからこそ、どこか狂気じみた、ネジが飛んだ人が一躍注目を浴びます。
昔よりも内向的な人間は生きやすくなりました。一昔前はひとりでできる仕事は作家や芸術家など相当限られていて、さらに成功するのはほんの一握り。
今は働き方の多様化が進み、それこそコスメティック田中さんのようなYouTuberとして稼げるようにもなりました。

ただし相当努力しなければいけないのは変わりません。コスメティック田中さんをはじめ、上手くいっているYouTuberも裏ですごい時間労力を使っているはず。
3行ノート
この本を読んだ方に併せてオススメしたい本
◎「静かな人の戦略書」ジル・チャン

外向型になろうと努力したところで、内向型の悩みがすべて解決するわけではない。それどころか、内向型には内向型の能力が備わっている。それを発揮するには、内向型ならではのやり方があるのだ。
私は外向型人間を羨ましく思っていましたが、本書を読むと、実は外交型には外交型ならではの悩みがあるらしい。それぞれ良さがあり、自分のタイプを理解して強みを活かすことが大切だと学びました。
◎「嫌われる勇気」岸見一郎・古賀史健

健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
対人関係の軸に「競争」があると、人は対人関係の悩みから逃げられず、不幸から逃れることができません。
哲学者「哲人」とアドラーの考えに賛同しかねる「青年」との会話調で進められています。
内容は少し難しめ。読んでみて面白かったら続編「幸せになる勇気」も併せてどうぞ。