【高校数I】二次方程式の問題を元数学科が解説【苦手克服】|応用編

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数学
ジル
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みなさんおはこんばんにちは。

静電気がキツいジルでございます!

今回は二次方程式の応用問題を解いていきます。

もし基礎に不安がある方は以下の記事を参考にしてみてください。

 

【高校数I】二次方程式の基礎を元数学科が解説【苦手克服】
今記事は【高校数I】【二次方程式】の基礎、入りの部分の内容となっております。二次方程式とは?というところから始めます。二次方程式の解き方は簡単に分けて2つあります。それぞれの方法をマスターしておきましょう。

 

 

【高校数I】二次方程式の判別式を元数学科が解説【苦手克服】
今回は【高校数I】【二次方程式】の『判別式』について記事にしました。Dが0より大きいか小さいか、はたまた0かによって解の数が分かるという便利な式ですね。判別式の説明と、そもそもなんで判別式を使えば解の数が分かるのかまで詳しく書きました。

 

 

【高校数I】二次方程式の問題を元数学科が解説【苦手克服】|基礎編
二次方程式の問題を解説します。実数解の数と文字の範囲、二次方程式の解を利用して定数を求める、などなどをします。スタンダードな問題を選びました。この辺りはぜひできるようにしてもらいたいので頑張りましょう!

 




問1

2つの二次方程式$x^2-(k+3)x+5k=0$、$x^2+(k-1)x-5k=0$が共通の解を持つとき、$k$の値を求めなさい。またその共通解を求めなさい。

 

「共通解」を持つということなので、適当な文字に置いて連立方程式を解く同じ手順で解くと良いです。

ではやってみましょう。

 

共通解を$x=p$と置く。

$x=pを解に持つ二次方程式 \Rightarrow その二次方程式に代入してOK!$

なので、まず2つの式にそれぞれ$p$を代入してみましょう。

$p^2-(k+3)p+5k=0$…①

$p^2+(k-1)p-5k=0$…②

ここから2つの式を使って$p$または$k$を求めていきます。

ジル
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$k$と$p$が導き出せる場合もあれば、$p$が2つ導き出せる場合もあります。その辺は柔軟に考えていきましょ!

式変形をしてみて、「あ、この変形じゃ無理そうやな」ってなったら別の式変形を試してみれば良いのです。

今回は①に$5k$、②に$-5k$があるのでとりあえず①+②をやってみます。

$2p^2-4p=0$

ジル
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お!これは解けそう!

$p^2-2p=0$

$p(p-2)=0$

$p=0,2$

でました!

あとはそれぞれ代入して、その時の$k$を求めればOKです。

まずは$p=0$の方を代入してみます。

①に代入しても②に代入しても同じ結果ですが、今回は①に代入しましょう。

$p=0$を①に代入する。

$0^2-(k+3) \times 0+5k=0$

$5k=0$

$k=0$

 

$p=2$についても同様に

$p=2$を①に代入する。

$2^2-(k+3) \times 2+5k=0$

$4-2k-6+5k=0$

$3k=2$

$k=\frac{2}{3}$

 

答え $x=0の時k=0$、$x=2の時k=\frac{2}{3}$

 

 

問2

次はかなーり難しい問題にチャレンジしてみましょう!

 

$x^2+Ax+B=0$の解を$p,q$とする。

解について

$p \neq 0,q \neq 0,\frac{1}{p}+\frac{1}{q} = 2,\frac{1}{p^3}+\frac{1}{q^3} = 3$

を満たすとする。

$A,B$の値を求めなさい。

 

$A$と$B$の関係性を見つけることが大事。
また$A$と$B$を$p$、$q$で表せるかどうかが鍵を握ります。
ジル
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こういう閃きが大事になってくる問題はたくさんの問題を解くことで解けるようになってきます!頑張りましょう!

ジル
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ちなみに私が解くとしたら、問題を読んでできる限り情報を書き出してそのあと式変形をしながら解を炙り出していきますかねー。

まず、$x^2+Ax+B=0$の解が$x=p,q$ということなので

$$x^2+Ax+B=(x-p)(x-q)$$

と表せます。

右辺を展開すると

$x^2-px-qx+pq=x^2-(p+q)x+pq$

つまり

$x^2+Ax+B=x^2-(p+q)x+pq$

なんですね。ここから

$A=-(p+q)$、$B=pq$であることが分かります。

ジル
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ここで私なら

「今後$p+q$、$pq$を目指して式変形をしよう!」

って考えます。

次に$\frac{1}{p}+\frac{1}{q}=2$を式変形してみます。

両辺に$pq$を掛けてみましょう。

$q+p=2pq$。順番変えて$p+q=2pq$

ジル
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なんか使えそうな形になりましたね!

さてここで「おや?もしかして…」と思ったそこのアナタ!素晴らしいです( ^ω^ )

先ほどの$A=-(p+q)$、$B=pq$が代入できそうですね!

$-A=2B$ができあがります。いかにも使えそう…笑

 

次に$\frac{1}{p^3}+\frac{1}{q^3}=3$を式変形します。

両辺に$p^3 q^3$を掛けましょう。

$q^3+p^3=3p^3 q^3$。順番変えて$p^3+q^3=3p^3 q^3$。

ここで$p^3+q^3$について、次のように展開できます。

$$p^3+q^3=(p+q)(p^2-pq+q^2)$$

ジル
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$a^3+b^3=(a+b)(a^2-ab+b^2)$

$a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)$

これは非常に使いますので覚えときましょう!

また、$p^3 q^3=(pq)^3$ですので、上の式は

$$(p+q)(p^2-pq+q^2)=3(pq)^3$$

に変形できます。

ジル
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良い感じに形ができてきました!

$p+q=-A$、$pq=B$がわかっていますので、代入できるところは代入しておきます。

 

$$-A(p^2-pq+q^2)=3B^3$$

左辺の$p^2-pq+q^2$に注目しましょう。実はこれ

$p^2-pq+q^2=p^2+q^2-pq=\{(p^2+2pq+q^2)-2pq\}-pq=(p+q)^2-3pq$

と式変形できるのです。

つまり$p^2-pq+q^2=(p+q)^2-3pq=(-A)^2-3B=A^2-3B$

になります。したがって

$$-A(A^2-3B)=3B^3$$

が成立しますね!

ジル
ジル

ここまでできたらもう少しですよ!頑張りましょう(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

さてここで、先ほどやった式変形を思い出してみましょう。

$A=-2B$だったはずですね?これを代入してみます。

$-(-2B)\{(-2B)^2-3B\}=3B^3$

$2B(4B^2-3B)=3B^3$

$8B^3-6B^2=3B^3$

$5B^3-6B^2=0$

$B^2(5B-6)=0$

したがってこの方程式を満たす$B$は$B=0,\frac{6}{5}$

それぞれの場合の$A$は、$A=-2B$から求められますね?

$B=0 \Rightarrow A=0$、$B=\frac{6}{5} \Rightarrow A=-\frac{12}{5}$

答え $A=0,B=0$、または$A=-\frac{12}{5},B=\frac{6}{5}$

 

…では終わりませんよみなさん!!!

まだ甘い!数学に必要なのは注意深さです。この2通りの解が果たして今回の問題の答えとしてふさわしいのか今一度確かめてみましょう!

 

ジル
ジル

私の経験則ですが、今回のような2通りの解が出た時は、$A=0,B=0$の方はなんか少し怪しいんですよね笑

少し違和感を感じるんです( ´ ▽ ` )

正直これは私が何問も問題を解いてきているから感じることです。

もちろん結局思い違いだったなんてこともざらですが、私なら疑ってかかりますね。

$A=0,B=0$について、

$p+q=0$、$pq=0$ということになります。

$pq=0$ということは…$p$または$q$が$0$にならなくてはいけません。

しかし今回与えられた問題をもう一度見てください。条件に$p \neq 0$、$q \neq 0$と書かれているではありませんか(`・ω・´)なので$A=0,B=0$は今問題の答えにはなりません。

 

$A=-\frac{12}{5},B=\frac{6}{5}$について、

$p+q=\frac{12}{5},B=\frac{6}{5}$になります。

こちら解くと$p \neq 0,q \neq 0$を満たしていることが分かります。

以上のことから、答えは $A=-\frac{12}{5},B=\frac{6}{5}$

 

 

最後に

今回紹介した問題が難なく解けたら実力は身についていると思います。

みなさんいっぱい問題を解いてください。たくさんの種類の問題を繰り返し解いてください。

それが一番の上達への近道です。

ジル
ジル

みなさん頑張りましょう!