【レビュー】『考えない練習』を読んだ感想・学んだこと

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書評

【本の要点】

  • 私たちが失敗する原因はすべて、余計な考えごと、ネガティブな考えごとによるものです。「なにかしよう」と考えていても心が”勝手に”よくない方向に考えてしまうのです。
    「”勝手に”思考する」ことをやめれるようになれば自分の心を思ったように操縦しやすくなります。
    ではなぜ”勝手に”思考するのか?人間の心は「より強い刺激を求めて暴走する」特徴を持っているから。
    近年は特に強い刺激が周りに溢れています。スマホですぐメディアにアクセスできますよね。「考えない練習」をしましょう。
  • 第1章では、考えてしまう、いわゆる「思考という病」についての基本が学べます。
    第2章では、考えないための話を、「話す、聞く、見る、書く/読む、食べる、捨てる、触れる、育てる」で具体的に解説されています。
    第3章では脳科学者「池谷裕二」さんとの対談が文字起こしされています。
    第2章は「確かに!」って思えることがたくさんありました。

 




著者について

【小池龍之介】
1978年奈良県生まれ山口県出身。
元僧侶。文筆業は休眠中。
2003年にウェブサイト『家出空間』、寺院xカフェ『iede cafe』を立ち上げる

 

刺さった箇所7選

「脳内引きこもり」が集中力を低下させる
私たち人間は四六時中、考え事をしています。一般的に、考えること、思考することは人間の立派な特質であると思われているでしょうし、「人間は動物と違って考える。だから偉い」と思っている方は多いでしょう。しかし、本当にそうでしょうか?私はむしろ、考えるせいで、人の集中力が低下したり、イライラしたり、迷ったりしているのではないかと思っています。いわば、「思考病」とでも申せましょうか。

 

人間の思考能力はご存知の通り、他の生物に比べて非常に優れています。とてもいいことですが、これが仇となることも。目の前のことに集中できない原因にもなり得るのです。

 

誰かと食事に行ったとしましょう。もちろん会話しながら食べますよね。本来はお互いに、相手の話を聞く、相づちをうつ、話すことに集中すべきですが、「家出るとき鍵閉めたっけ?」「隣の席の人美人だな」なんて余計なことを考えてしまうもの。

 

同じテーブル、同じ空間にいるはずなのに、お互いに脳内でそれぞれ思考している、これが「脳内引きこもり」です。

 

 

人間の三つの基本煩悩ー「怒り」と「欲」と「迷い」
私たちは常に、目や耳、鼻、舌、身体そして意識を通じて、さまざまな情報を受け取っています。そうした刺激に反応する、心の衝動エネルギーのうち、大きなものが「心の三つの毒」であるところの「怒り」「欲」「迷い」です。

 

「欲」…目で見え、耳に聞こえる情報に対して「もっとほしい、もっとほしい」と求める心の衝動エネルギー。
「怒り」…入ってくる情報に対して「受け入れたくない、見たくない、聞きたくない」と反発する心の衝動エネルギー。
「迷い」…目の前のことに飽きて別の刺激を求めるようになる心の衝動エネルギー。

 

三つの毒があると、何かを思考しているとき、つい頭をよぎってしまいます。余計な考えにエネルギーを割くことになってしまうのです。

 

ジル
ジル

これすごいあるある!最近あったことですが、訪れたご飯屋さんにすごく態度悪い店員がいまして、店を出た後もしばらくそのことを考えてしまっていました。とっとと忘れて楽しいこと、やるべきことに目を向けるべきでした。

 

 

感覚に能動的になることで、心は充足する
「自分の感覚に対して能動的になる練習」を繰り返していくうち、考えごとのノイズに引きずられることなく、「いま、この瞬間」の情報をはっきりと認知して、心が充足感を覚えるようになってきます。

 

仏教の世界では、目・耳・鼻・舌・身に加えて”意”が外部からの刺激を認識するとされています。情報が入ってくると自然と”受動的”になってしまいます(「見える」「聞こえる」など)。

 

これらの刺激を”能動的に”取り入れる練習をしましょう。すると漠然と入ってきていた情報がはっきり捉えられるようになります。

 

ジル
ジル

生活全般で入ってくる刺激を見直して、ひとつひとつの些細な刺激を能動的に向き合う、自然の雨音や風の音も感じるようになれば、その感覚が研ぎ澄まされます。

 

 

「八正道」の中に「正語」がありましたように、正しく話すことというのは、実はとても難しいことなのです。
別に雨が嫌いでもないのに、「雨は嫌なもの」という固定概念に流されて、思ってもいないことを言ってしまう。傘のデザインやブランド名にも興味などないのに、雨についての話の中で興味を持っているふりをして、おだててしまう。

 

聞くつもりがなかったのに無意識で聞いてしまう。沈黙に耐えられずその場しのぎでいらないことを口にしてしまう、あるあるですよね。

 

ジル
ジル

下手なこと言って家で後悔するんですよねw

 

自分が何を話すのか能動的に分析してみましょう。

 

無駄話を他人に押し付けない
(無駄話を)聞かされた側には無駄な情報が植え付けられて染みつき、思考のノイズが増えますし、言った側も、口にしたことによってより強く無駄な思考が焼き増しされてメモリを奪われてしまうのですから。

 

本書では無駄話を「相手にとって有意義でない話」と定義しています。

 

ジル
ジル

相手に有意義でない、相手にとっては時間を奪われるのと同義ですよね。逆に無駄話を聞かされるのに時間を割かないようにしましょう。他人時間をできる限り減らすように。

 

 

音に「洗脳」されないように、自覚的にであること
イライラしている時、物にあたってスッキリするつもりが、自分の立てた大きな音でさらにイライラが増幅してしまったという経験があるかもしれません。大きな音を聞くことによって、さらに怒りの刺激が大きくなり、心にこびりつくからです。

 

ジル
ジル

これ私よーくわかります。最近では、机を叩きながら口論しているシーンに出くわしました。あとは、メンタルが弱っている時って、普段より生活音が敏感に聞こえたりしませんか?

 

無駄に大きな音を出すのは避けましょう。逐一そういう音が大きい人って正直いい印象受けません。

 

執着からの脱出のためにー「捨てる」訓練
これまでものが増えるほうが安心すると思い込んでいたのがまったく間違いで、実は減らしたことでとても心がすっきりしたり、安心したり、安定したり、自分の心の中が見渡しやすくなったりするのです。

 

ジル
ジル

私も物を溜め込んでしまうタイプ。部屋が狭くてしょうがありません。でも最近ミニマリストの動画を見て憧れてしまいました。

 

少しずつではありますが、物を減らしております。

 

 

3行ノート

①五感を能動的に取り入れる
受動的だと余計な刺激も受けてしまう
②有意義な話を心がける
相手に有意義でない話=無駄話
する方もされる方も無駄な時間
③少しずつものを減らす

ものが多くなると部屋が狭くなるだけでなく、記憶のデータベースも使ってしまう
部屋も脳もスッキリさせよう

 

3行ノートとは?
私は本を読破するたびに「3行ノート」をとっています。
これは『メモで自分を動かす全技術 高田晃著』で紹介されていたもの。
本から学んで終わりではなく、実際に行動に移すためのノートです。
本から学んだことの中から3つだけ「これからやっていこう」と思った項目を厳選するだけ。
私はもう少し広いニュアンスで「本から学んだ、自分にとって特に大切なこと3選」みたいにして書いています。

 

《今回紹介した本の情報》
タイトル:考えない練習
著者:小池龍之介
定価:本体1,300円(税別)
出版社:小学館
目次:
第1章 思考という病 考えることで、人は「無知」になる
第2章 身体と心の操り方 イライラや不安をなくす練習
第3章 対談 池谷裕二x小池龍之介 僧侶が脳研究者に聞いた「脳と心の不思議な関係」

 

 

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”不用品”を処分するー処分するときには「もったいない」という感情がともなうかもしれません。しかしひるんではいけません。家の中に不要なモノをため込めばため込むほど、心もどんどん重くなっていくのです。不用品はいうなれば、「体に不調をもたらす、増えすぎた中性脂肪」のようなものなのです。

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◎「時間革命」堀江貴文

『時間革命』のあらすじ紹介〜1秒もムダに生きるな〜|書評
「タイムイズマネー」を聞いたことあるでしょうか?アメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンの言葉で、訳すと「時は金なり」です。時間はお金と同様に貴重なものだから、決してムダにしてはいけないという意味。しかし現代は昔ほどお金に縛られる必要がな...

時間こそは、誰もが平等に手にできる、唯一の「資産」なのである。ぼくたちは、その「投資先」をたえず判断し、その価値を最大化することに、すべてを注がなければならない。なぜなら、その資産は「有限」であり、「あるとき急になくなる」から。

元・株式会社ライブドア代表取締役CEO、現在はロケット事業など多岐にわたって活躍する「堀江貴文」さんの著書。
堀江さんはたくさんの本を出版されていますが、その中でも”時間術”に特化した本。
『自分時間』を確保するために無駄を削ぎ落とすことを目指します。