【本の要点】
- 周りを見てみますと、常に何かに追われているようにせわしなく生活している人ばかりに見受けられます。
「やりたいことがあるのに忙しくて時間が取れない」そんな方ばかりではないでしょうか?
しかし実はそれは大きな勘違い。第1章では時間に関わる3つの勘違いに焦点を当てます。それは『物理的な時間がない』『やるべきことが多い』『忙しい人は仕事ができる』。
現代の日本人を象徴するような、誰でも思っていそうな勘違いですね。 - 3つの勘違いは我々が時間感覚を乱しているから起きるのです。まずは「時間が足りない」という間違った時間感覚を正す必要があります。
第2章では間違った時間感覚を直す7つの解決策がまとめられています。こちらかなり参考になりました。
それでも「時間が足りない」感覚が拭えない方もいます。まずは目の前の不安や焦りを先になんとかしましょう。第3章では1秒からできる実践的な、不安や焦りを拭うテクニックが紹介されています。
第4章、第5章ではより具体的な時間不足(勘違い)に対しての取り組み方がまとめられています。
著者について
刺さった箇所7選
現代人は週に40時間を余らせている
世界中の人が実際に仕事に使っている時間の合計は、過去40年間でまったく増えていないどころか少なくなっている。これは、行動記録を使った研究で明らかになった事実だ。しかし、「あなたたちは、実は毎週30〜40時間の自由な時間を余らせているんですよ」と言っても、決して信じてはくれないだろう
これびっくりしました。時間感覚と実際に過ぎた時間にこんなに差があるのだと。

ではその時間はどこに消えているのでしょうか?
「忙しい」の口癖をきっぱりと止めよう!
「忙しい」と口に出すたびに、あなたの意識は未来や過去に向かい、そのせいで目の前の本当にやるべきことに集中できなくなる
いつも未来は過去への心配ばっかりしていて、よく考えてみたら、1日のうちで「現在」に集中できた時間が30分もなかった、という人も多いのではないでしょうか?
私自身よく「時間がない」感覚になります。普段の時間管理がよくないのもありますが、一番よくないのが、過去未来の心配をよくしてしまうところ。「〇〇したらどうしよう」「あのときなんで〇〇してしまったのだろう」と考えてしまうのは常日頃。
常にそういう心配で頭がいっぱいになっているので今やるべきことが見えなくなってしまう、自覚はしているのですがなかなか直せません。
「やるべきことが多すぎる」は正しい選択ができていない証拠
考えてみれば当然でしょう。なにか大きな成果を出すためには、目的に向かって行動を絞り込む必要があります。「やるべきことが多すぎる」と弱めを吐いている時点で、本当に必要なことを選択できていない証拠なのです。
私は結構「やるべきことが多いなあ」って感じることがあります。でもその割には大した成果を得られていません。これが原因だったんですね。
やることの方向をがバラバラだと積み上げることができません。

「やるべきことが多い=生産性が低い」という事実を受け入れましょう。
あなたの時間不足は錯覚にすぎない
結論から言えば、あなたの時間不足は「錯覚」です。本当はやりたいことをやるだけの時間があるし、実際には毎日の作業をこなすだけの能力も持っているのに、あたかも物理的な時間が足りないかのように思い込んでいるだけなのです。時間の感覚が狂っていると言ってもいいでしょう。
忙しい人ほど有能なのがウソで、やることが多い人ほど生産性が低い。さらには実は思っているより自由な時間があるという研究結果があるのです。
でも「時間がない」感覚になっている人がほとんど。つまり、時間がないと”錯覚”しているということ。

逆に言うと自由な時間があるのも事実。つまりその錯覚を訂正できれば自由な時間が増えるということです。
メンタル・タイムトラベル
「この問題が未来にはどうなっているだろうか?」と想像してみるテクニック
なんだか気分が暗くなってしまいそうですが、ここ数十年の研究で広く認められたテクニックで、その効果は絶大。多くの人は未来の失敗に対する想像力が足りないせいで決断を間違ってしまう傾向があるため、あえて不吉な未来をイメージすることで視点が広がり、思い込みを抜け出しやすくなるのです。
これ私の心配症にも通用しそうだと思いました。漠然と思い込んでいることを深く考えてみるって一見状況が悪くなりそうです(私のようなメンタル弱者は特に)。

いざ深堀してみると、思ったよりも大したことにならなそう!って結論になるもんですよね。「なんとかなる」のです。
『親切』
他人のために時間を使った人は「この先やりたいことがなんでもできそう」や「残された時間がたくさんある」と答える確率が激増。最大で2倍も時間の感覚が伸びたのです。
これ意外すぎます。他人に親切をすることで感謝され、それがモチベーションアップにつながるそう。心理学でこの現象を『自己効力感』と呼ぶらしい。

私はこれ賛成できかねます。なぜなら親切にしても感謝されるとは限らないからです。他の記事でも書いていますが、私は数年前、ほぼ毎週のように遊んでいた友達グループにハブられた経験があります。それから人のことを基本信用できなくなっています。
他人を親切にしても、思ったような感謝を受けなければモヤモヤしたり傷つくと思うんですよね。それがストレスになるんです。
『自然』
森林や大海などの壮大な自然を前にして、まるで自分がちっぽけな存在になったかのような感覚を味わったことがある人も多いでしょう。この感覚も、時間不足を解消するのに役立つ要素のひとつです。自分が小さな存在だと感じると、私たちのなかには客観的な視点が生まれ、日常のトラブルを外から冷静に観察できるようになっていきます。
これメチャクチャわかる!心配症な私は常に心配事のひとつやふたつを抱えているのですが、日課の散歩中に山を見ると少し和らぐのです。「なんでこんなことで悩んでいるのだろう。限りある人生が勿体無い!」って。

普段から忙しくて余裕のない方、不安やストレスを抱えている方、ぜひ30分の散歩をしてみてください。
3行ノート
この本を読んだ方に併せてオススメしたい本
◎「時間革命」堀江貴文

時間こそは、誰もが平等に手にできる、唯一の「資産」なのである。ぼくたちは、その「投資先」をたえず判断し、その価値を最大化することに、すべてを注がなければならない。なぜなら、その資産は「有限」であり、「あるとき急になくなる」から。
堀江さんはたくさんの本を出版されていますが、その中でも”時間術”に特化した本。
『自分時間』を確保するために無駄を削ぎ落とすことを目指します。
◎「いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才」今井孝

幸せな人たちの1日の大部分は、普通の人と同じです。しかし、ひとつだけ大きな違いがあったのです。それは、1日のなかに「最高のひととき」をつくり出している、ということです。その「最高のひととき」を平均すると、2時間程度でした。