【レビュー】『ドリルを売るには穴を売れ』を読んだ感想・学んだこと

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書評

【本の要点】

  • 本書は「マーケティング入門」の本です。
    マーケティングとは、「顧客のニーズを満たすために企業が行う活動」の総称。
    人によっては「自分には関係ない話だな」と思うかもですが、実はマーケティングはどんな人でも身の回りで起こっています。
    例えば野菜不足だと思った時、まず何をしますか?
    ・野菜を摂る
    ・野菜ジュースを飲む
    ・ビタミンサプリを飲む
    などがあると思いますが、そこから選んだ方法のマーケティングの影響を受けているのです。
    お腹が減った時どの店にするかなどもそう。身近に起きているのです。
  • 人にモノサービスを売る際にはその「価値(ベネフィット)」を意識しよう。
    人はモノサービスを買うのではなく、それによって得られる価値を買っているのです。
    価値(ベネフィット)は大きく「機能的ベネフィット」「情緒的ベネフィット」に分けられます。
    価値の源は何か?それは「人間の3大欲求」。
  • モノサービスは誰向けに提供するのか?も考える必要があり、ターゲットを絞ることを「セグメンテーション」と言います。
    セグメンテーションの仕方は色々あり、シンプルに年代別に分ける方法、心理や行動、ライフスタイルの違いなどをベースにした「心理的セグメンテーション」などあります。
    絞らないと逆に誰にも刺さらなくなり、誰にも買ってもらえなくなってしまう。
  • ターゲットを絞った後は、自分の製品だから買ってもらえるような「差別化」を考えよう。
    差別化を考える上で「手軽軸」「商品軸」「密着軸」を意識しましょう。

 

 




著者について

【佐藤義典】
ストラテジー&タクティクス株式会社代表取締役社長。
早稲田大学政治経済学部卒業後、NTTで営業・マーケティングを経験。
その後、海外にてMBA取得。
外資系メーカー責任者や外資系マーケティングエージェンシー日本法人営業チームのヘッドなども務める。
ストラテジー&タクティクス株式会社のプロフィールページより抜粋

 

刺さった箇所7選

わたしたちの買い物をちょっと注意深く観察すれば、「マーケティングは会議室で起きているのではない!」ということがわかっていただけるだろう。このようなネタは際限なく転がっており、このようなマーケティングのヒントに敏感で、マーケティング的な思考・発想ができることを、わたしは「マーケティング脳」と呼んでいる。
マーケティング脳を鍛えるには、自分の身の回りから学べばよい。何かを買ったとき、買わなかったときに「なぜこの商品を買ったのか?」「なぜこの店で買ったのか?」と考えていけばよいのだ。

 

マーケティングって言葉、なんとなく難しく近寄りがたい、話を聞いてもよくわからないイメージ。でも誰もが経験しているのです。

 

ジル
ジル

週末に行く場所、ランチを食べる場所、など考えるときにマーケティングを意識してみよう!

 

 

ベネフィットとは、「顧客にとっての価値」だ。あなたが工具のドリルを売っているとする。あなたにとっての売り物はドリルだが、顧客にとっては、ドリル自体ではなくドリルが開ける「穴」に価値があるのだ。この「穴」がベネフィットということになる。
マーケティングとは、本質的には「顧客にとっての価値」を売り、その対価として、顧客からお金をいただくことだ。

 

すごく大事な考え方。意識しているかで売り込むアプローチが変わってきそう。

 

顧客は価値に対価を払ってくれます。買い手はそのモノサービスに、自分が要求する価値が要求される金額に見合っているかを精査して購入を決めるのです。

 

 

売り手は業界のライバルを意識していても、顧客は「ハンバーガー業界」にこだわっているのではない。自分の求める欲求を満たすことができれば、顧客にとって業界の垣根などどうでもよいことなのだ。

 

売り手が、自社の競合を考える際、同ジャンルばかり目がいってしまいますよね。

 

でも実は他ジャンルがライバル化することも珍しくなく、それを理解していないと競争に負けてしまいます。

 

ジル
ジル

買い手の立場になって競合を考えているのが大事なんですね!
仕事だけでなく、ブログ活動にも活かせそう。

 

 

自分の選ぶ差別化軸によっても絞るべきターゲットは決まる。手軽軸を選んだ瞬間に、「早い、やすい、便利」を好む顧客がターゲットとなる。密着軸を選んだ瞬間に、「自分のことをよく知り、密着してほしい、わがままを聞いてほしい」という顧客がターゲットになる。

 

「手軽軸(手軽に済ませたい)」「商品軸(とにかく良いもの)」「密着軸(いつもの店)」とは、佐藤氏が提唱する差別化の方法。狙う顧客によってそれに合う差別化軸があります。

 

間違えると合ってないPR戦略をしてしまったり、顧客に沿った売り方ができなくなってしまうのです。

 

ジル
ジル

身の回りにあるお店を考えたとき、全国展開しているチェーン店なんかはどれかの軸に当てはまっていてマーケティングがしっかりしているなと思いました。

 

 

顧客に価値を提供し、その対価としてお金をもらうための具体的手段、価値を現実化するものが本章で説明する「4P」だ。
◎Product(製品・サービス)ーこれを通じて顧客に価値がもたらされる
◎Promotion(広告・販促)ー製品・サービスの価値を顧客に伝える
◎Place(流通・チャネル)ー実際に顧客に価値を届ける経路
◎Price(価格)ー集金することで会社に価値の対価がもたらされる

 

価値を考えて、ターゲットを絞って、差別化を考える。その後は実際の売り方を考える段階です。

 

ジル
ジル

私たちはモノサービスを購入する際、必ずこと4Pの影響を受けています。

 

 

広告で差別化ポイントを訴える
広告を分解すると、「広告媒体」と「メッセージ」になる。広告を伝えるには媒体が必要だ。

 

広告媒体を選ぶ際に意識するのが、セグメンテーションした層がどれを利用するかということ。

 

売り手の目的は「自社のモノサービスを”買ってほしい”」ですが、それを前面に出すのはよくありません。買い手がどんな価値(ベネフィット)を得られるのかをしめしてあげよう。

 

広告に似た使われ方をするのが「販促」。本書によると
「広告」…認知を促進する手段の総称
「販促」…その場での購買を促進する手段の総称
と、意味は少し異なります。

 

 

4Pの間での一貫性も重要だが、さらに重要なことは、差別化戦略との一貫性だ。
マーケティングに売れる売れないはあっても、良い悪いはあまりない。しかし、今まで説明してきたベネフィット(顧客にとっての価値)、ターゲット顧客、差別化戦略、4Pに一貫性があることは、良いマーケティングの必要条件だ。

 

各メーカーは一貫性を意識してマーケティングに取り組んでいます。美しいくらい一貫性がとれているビジネスが良い。

 

紙に表形式でマーケティング戦略を書いてみて、一貫性がとれているかを確認するのが良いと思いました。

 

また本書で一貫性があるマーケティングをしている例としてTDRが紹介されており、読んでみると確かに非常に一貫性がとれていて、素晴らしいマーケティングだと思いました。

 

3行ノート

①日常に溢れているものから「マーケティング脳」を作る
マーケティングは日常に溢れており、知らぬ間に影響を受けている
買い物する時などで、商品を選んだ際に「なぜこれを選んだのか」を考えてみる
②自分のブログが読み手にどんな「ベネフィット」を提供するのか今一度考える
ドリルを買う時、買い手は「穴をあける」ベネフィットがほしいのである
③有名なメーカーに4P、差別化軸を当てはめてみる
成功している企業は4P、差別化に一貫性がある
「マーケティング脳」が鍛えられる

 

3行ノートとは?
私は本を読破するたびに「3行ノート」をとっています。
これは『メモで自分を動かす全技術 高田晃著』で紹介されていたもの。
本から学んで終わりではなく、実際に行動に移すためのノートです。
本から学んだことの中から3つだけ「これからやっていこう」と思った項目を厳選するだけ。
私はもう少し広いニュアンスで「本から学んだ、自分にとって特に大切なこと3選」みたいにして書いています。

 

《今回紹介した本の情報》
タイトル:ドリルを売るには穴を売れ
著者:佐藤義典
定価:本体1,429円(税別)
出版社:青春出版社
目次:
序  章 ”マーケティング脳”を鍛える
第1章 あなたは何を売っているのか?ーベネフィット
第2章 誰があなたの商品を買ってくれるのか?ーセグメンテーションとターゲット
第3章 あなたの商品でなければならない理由をつくるー差別化
第4章 どのようにして価値を届けるか?ー4P
第5章 強い戦略は美しい

 

 

この本を読んだ方に併せてオススメしたい本

◎「凡人くんの人生革命」ヒトデ

『凡人くんの人生革命』のあらすじ紹介〜小さな革命から始めよう〜|書評
『凡人くんの人生革命』の書評記事になります。大きな革命ができるのは才能ある人です。ただし小さな革命ならば誰でもできます。今の生活をもう少し豊かにしたい、仕事とは別でスキルを身につけたい、そんな方に手にとって頂きたい。

世の中を変えるような大革命はいりません。そんなものは、天才たちに任せましょう。凡人である僕たちは、自分と、自分の周りだけの小さな革命でいいんです。確実に一歩ずつ、今よりも幸せになりましょう。

私がブログを始めるきっかけをくれたブロガー「ヒトデ」さんの本。
ヒトデさんが運営するブログ「ヒトデブログ」で本書がオススメとして紹介されていたんです。それで知りました。
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◎「伝えることから始めよう」高田明

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「伝える」と「伝わる」は違うんです。お客さまに、伝わるべきことがしっかり伝わっていなければ、お客さまの心は動かないと思います。「伝えたつもり」で終わってしまったら、商品を買っていただくことはできない。それが、ラジオ・テレビショッピングを通じて、私が一番学んだことでした。

伝えるプロ、『ジャパネットたかた』創業者の「高田明」さんの著書。
テレビショッピングで売り込むにはその価値を伝えるのは必須。
また、番組ではターゲット層を意識した伝え方がしっかり考えられています。
話口調の文章で読みやすく、読書初心者の方にもオススメです。